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鬼蜘蛛おばさんの疑問箱 › 原子力発電 › 福島原発事故では大熊町の汚染が最も深刻だった

2011年09月02日

福島原発事故では大熊町の汚染が最も深刻だった

 以下の毎日新聞によると、文科省がつくった福島第一原発の事故による土壌汚染マップが公表され、最も汚染がひどかったのは大熊町であるという。

http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110830k0000m040082000c.html

 以下、一部を引用する。

文部科学省は29日、東京電力福島第1原発から放出されたセシウム137(半減期約30年)の蓄積分布を、原発からおおむね半径100キロ圏内で示した「土壌濃度マップ」を初めて作った。最も高かったのは、原発がある福島県大熊町で土壌1平方メートル当たり1545万ベクレル。南相馬市と富岡、大熊、双葉、浪江の各町、飯舘村の6市町村34地点で、チェルノブイリ原発事故(86年)の際に居住が禁止された同148万ベクレルを上回った。
 調査は6~7月、文科省と大学など94機関3企業が共同で約2200区画(1区画は2キロ四方)を調べた。1区画内の草も含め任意の場所で集めた5サンプルを混ぜて測定した。

 これまでの報道では飯館村など北西方面の汚染がひどいという印象があったが、実際には原発のすぐ南側の大熊町が大変な汚染をしているのだ。

 昨日の記事「福一から20キロ圏内の被曝遺体は何を意味するのか?」で20キロ圏内に数百から千体ほどの遺体があり、大熊町では高濃度に被曝した遺体があったということを書いたのだが、これらの方たちが被曝による急性障害で亡くなっていたのかもしれない、という疑惑はさらに色濃くなったように感じる。もしそうなら、大変なことではないか。

 ところで、上記の毎日新聞の記事ではチェルノブイリの原発事故の際の基準が比較のために用いられており、「居住が禁止された同148万ベクレル」という数値と比較している。これには少し説明がいる。

 以下の放射能防御プロジェクトが行った首都圏土壌調査の結果を見ていただきたい。ここにチェルノブイリでの区分が説明されている。

http://doc.radiationdefense.jp/dojyou1.pdf

 これによると、チェルノブイリでの区分は以下のようになっている。これは1平方メートル当たりの値だ。

148万Bq~ 強制避難区域 直ちに強制避難、立ち入り禁止
55万5千Bq~ 一時移住区域 義務的移住区域
18万5千Bq~ 希望移住区域 移住の権利が認められる
3万7千Bq~ 放射線管理区域 不必要な被曝を防止するために設けられる区域

 これから分かるように、移住を義務付けているのは55万5千ベクレル以上の地域だ。毎日新聞が居住禁止の基準として出した148万ベクレルというのは「直ちに強制避難」という区分に当たる。この数値だけを「居住が禁止された地域」として持ちだすのは不適切だろう。意図的に汚染を低く見せているかのようだ。これについては以下のサイトに詳しいので参照していただきたい。

土壌汚染とチェルノブイリ移住基準:148万ベクレルと55万5千ベクレルどっちがほんと?(福島原発事故メディア・ウオッチ)

 そして問題なのは、福島の場合、チェルノブイリの義務的移住区域を超える汚染地域が警戒区域や計画的避難地域以外にも広がっており、そこに事故から半年近くもたつ今でも人が住んでいるということだ。

 行政はそれらの地域の人々を移住させることより、除染することを考えているようだが、これほどの汚染であれば除染などで解決できることとは到底思えない。強制的とは言わなくても基本的に移住をさせるべきだろう。少なくとも子どもや若者、妊婦などが暮らせるような状況ではない。

 日本政府の対応はチェルノブイリの時よりはるかに人命軽視だし、あの悲惨な事故を教訓に被害者を減らそうという姿勢がまったく見られない。心底、情けなく恥ずかしい国だと思う。

 そして、これほどまでの汚染が今ごろ発表されるというのはあまりにも遅い。データを知りながらずっと公表せず、住民たちを被ばくさせ続けたのだ。犯罪的行為ではないか。


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この記事へのコメント
日本政府の姿勢には本当腹が立ちます。国民の安全な生活なんて二の次なんですね。
こんな政府にすがって生きるのはもうやめにしましょう。いまこそ市民革命の時です。
税金ボイコット!選挙ボイコット!
市民の市民による市民のための政府樹立に向けて頑張りましょう!
Posted by 市民正義党代表 at 2011年09月06日 04:06
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