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鬼蜘蛛の網の片隅から › 原子力発電 › 福島第一原発の不可解な2号機

2012年02月16日

福島第一原発の不可解な2号機

 2号機の圧力容器底部の3つある温度計の一つが上昇したというニュースがあったときは、注水量を増やして「温度がやや低下した」と言っていた。しかし、それでも温度計が上昇を続けると「温度計が壊れているかもしれない」と言い出し、その後は「温度計が壊れた」という判断がなされ、ニュースから2号機の話題が消えた。

 このニュースだけだと故障した温度計は1つだと理解できる。ところが、2号機には全部で41カ所に温度計があり、そのうちの8カ所が故障しているという。以下参照。

2号機 温度計の故障がとまらない 計8個に:報道まとめ(ざまあみやがれい!)

判明している温度計の故障1号機15カ所・2号機8カ所・3号機ゼロ(ざまあみやがれい!)

 なんと2011年の末にはすでに41個のうちの5個が故障としていたのだ。そして最近になって新たに3個の故障が判明したということになる。新聞やラジオのニュースで「圧力容器下部の3個のうち1個」のことばかり報じていたのはなぜだろうか。

 この「故障」という発表を信じている日本人はどのくらいいるのだろうか? 私はもちろんそのまま信じてはいない。少なくとも、東電があせって注水量を増やしたときにはおそらく故障などしていなかったのだと思う。だから注水によって温度がやや下がったのだ。その後、温度計が400度を超えて振り切れたとされた時点では本当に故障したのかもしれないが、それも誰も確認のしようがない。

 さらに以下のような情報がある。

2号機 高温化を示していた温度計がもうひとつあった! CRDハウジン部温度計1月14日に150度Cを計測(机の上の空 大沼安史の個人新聞)

 高温化を示していた温度計がもうひとつあったのなら、やはり問題とされた温度計は400度になる前までは故障などしていなかったのだろう。圧力容器内の温度が上昇していたのは確かだと思う。しかし、温度がどんどん上昇してしまえば「冷温停止」ではなくなってしまう。だから実際の温度を知らせないために故障ということにした可能性も否定できない。故障にしてしまえば、これ以上2号機の温度のことに触れなくて済むし、「冷温停止」の判断について批判されることもない。この2号機の温度上昇と温度計の故障に関する報道は実に不可解だ。

 南相馬の「ぬまゆ」さんは、東電の発表とはまったく違うことを書いている。もちろん「ぬまゆ」さんの知り合いの作業員の方が言っていることも本当かどうかは分からない。

2号機の「温度上昇」は、本当だった。 (ぬまゆのブログ)

 そして、週刊朝日にはこんな記事が出ているそうだ。

http://www.asyura2.com/12/genpatu21/msg/106.html

 複数の異なる情報がある中で、何が真実なのかを判断するのは困難だ。しかし、「福島第一原発は収束とはほど遠い不安定な状況で、今後も何がおこるかわからない」こと、そして「東電の発表は信用できない」ということだけは確かだろう。

 もう原発事故は落ちついたと思っている人が多いのかもしれないが、とんでもないということだ。


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Posted by 松田まゆみ at 23:03│Comments(0)原子力発電
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