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鬼蜘蛛おばさんの疑問箱 › 原子力発電 › 参議院行政監視委員会の話しより

2011年05月23日

参議院行政監視委員会の話しより

 今日は、参議院の行政監視委員会で小出裕章さん、後藤政志さん、石橋克彦さん、孫正義さんの4人が参考人として話をされた。この実況中継は以下の参議院のホームページに2011年5月23日の日付を入れて検索すると視聴できる。

参議院インターネット審議中継

 全部を通して聞いたわけではないが、とりわけ小出さんの話で印象に残ったことを取り上げたい。

 まず、高速増殖炉について。日本はプルトニウムを利用した核燃料サイクルの構想を練ったが、高速増殖炉は実用化できずに破綻している。『もんじゅ』だけでもすでに1兆円を使っているのに、1兆円の詐欺といえるような状態だ。1兆円の詐欺をしたら1万年の実刑に当たる。ところが誰も責任を取っていない・・・と小出さんは説明された。あのどうしようもない状態になっている「もんじゅ」に、なんと1兆円も使われていたのだ。国民の税金を何だと思っているのだろう。というか、税金だから何とも思わないのだろう。できないことが分かっていながら計画の断念を表明せずに巨額の費用を投じ続けるのは、小出さんではないが詐欺に等しい。

 福島の事故の対応については、すでにメルトダウンして溶けた燃料が格納容器の外に出ている可能性もあり、それであれば循環式の冷却は無理ではないかとも言っていた。確かに、循環式の冷却というのは燃料が格納容器の中にあることが前提だが、メルトスルーしているのであれば話しが違ってくる。東電は1号機のメルトダウンは事故の直後から分かっていたし、そうであればメルトスルーの可能性もとっくに分かっていただろう。それなのに、窒素注入や水棺などという無駄な試みをし、今は循環式の冷却装置の設置を進めている。しかし、もし格納容器の中に燃料がないのであれば、循環式で一体なにを冷やすのかということになる。東電も政府も事故が起こる前まではメルトスルーなどという事態は全く考えていなかったのだろうが、メルトスルーが進行しているのなら、今後の対処に英知を結集させなければならないだろう。

 もう一つは、情報公開に関して。小出さんは3月15日に東京で放射性物質の測定を行っている。その値は内部被ばくで1時間に約20マイクロシーベルトに相当するという、かなり驚くべき数値だ。このデータは3月18日の京大のセミナーで公表したが、所長からは公表するとパニックを煽るのでなるべく公表しないほうがいいと言われたそうだ。

 孫正義さんも言っていたが、政府による放射線量の報告はガンマ線だけだという。これだと外部被ばくだけしか対象にならない。こうしたまやかしとも言える過小な放射線量しか政府は発表しない。さらに行政はデータの公表に対して圧力をかけているようだ。そういえば新聞では各地の放射線量の一覧表を掲載し、「数値が下がってきているから心配ない」というようなことを書いていたが、その数値は公の機関の発表によるガンマ線だけのものなのだろう。内部被ばくを考慮しない政府や行政のデータで安心してはいけない。

 政府がしていることは、被ばく線量の引き上げだ。作業員の被ばく量を引き上げ、住民の避難の基準となる被ばく量を引き上げた。今までの基準を保っていたなら、福島では多くの人がそのまま住み続けることができなくなる。政府の発想は「危険だから避難してもらう」のではなく、「避難は無理だから被ばくしてもらう」ということのようだ。将来、もし被ばくによって健康被害が生じたとしても、東電や国は恐らくなんの補償もしないのだろう。原発事故との因果関係を証明するのは極めて困難だからだ。国民は、この国はそういう国なのだということを頭に入れておかねばならない。

 今後、放射能の大量放出がなければいいのだが、もし高濃度の放射能が大気中に大量放出されるようなことになれば、東北だけではなく関東もかなり汚染されかねない。政府が危険性を過小評価している以上、自分で情報を得る努力をし、自分で身を守るしかない。とりわけ、子どもたちを被ばくさせないよう最大限の努力をするのが大人の責任だろう。

 なお、参考人の方たちの話しがYouTubeに投稿されている。

小出裕章さん
http://www.youtube.com/watch?v=GASMdrWqUOY&feature=player_embedded
http://www.youtube.com/watch?v=jygNyahW1UM

石橋克彦さん
http://www.youtube.com/watch?v=dvwOIwR99rE
http://www.youtube.com/watch?v=PnRcymz-SDQ

後藤政志さん
http://www.youtube.com/watch?v=ra2_pqrFqL8
http://www.youtube.com/watch?v=S7INkuS5k6o

孫正義さん
http://www.youtube.com/watch?v=QZQS8yUhYi8


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この記事へのコメント
こんばんは。
もんじゅに関しては来月落下物を引き抜くという発表が出されましたね。
この期に及んでまだ運転を諦めていないようです。
往生際が悪いとはこの事ですね。

しかしこの行政監視委員会に孫さんもですが、小出さんが呼ばれていたのは少し驚きです。というか遅過ぎですよね。
今までは耳も貸さなかったのだから本当に腹立たしいです。
先月見たビデオの最後で小出先生が、こんな事故が起きて残念だと涙ぐむのを私もなんだか申し訳ないような気持ちになってしまいました。

原発推進してきた政治家、学者、関係省庁は揃って間違いを認めて貰いたいです。
Posted by BEM at 2011年05月24日 23:39
BEM様

こんにちは。
「もんじゅ」に関しては、本当に往生際が悪いですね。誤りを認め軌道修正できない政府は終わっています。

事故のことを批判する立場で動いている小出さん、後藤さん、石橋さんを呼んだのは、「反対している人たちの意見を聞いた」という既成事実をつくるためだという意見もあります。こういうやり方は常套手段ですから。

たしかにそういう見方もできると思いますが、今回の事故に関してはそう単純ではないように思います。はじめのうちは御用学者ばかり出していたテレビやラジオも、最近では小出さんや後藤さんを出演させるようになりました。東電や政府の情報隠ぺいや嘘が誰の目にも明らかとなった今、誰もが当初から今の事態を言い当てて警告していた人たちの方が信用できると思うでしょう。

そして、国会議員の方たちも事態の深刻さに気付いてきていると思います。なにしろ、関東地方も場所によってはかなり汚染されているし、大事故の収束の目途もたっていないのですから。

ですから、今回の招致は「既成事実づくり」半分、「事実を知って何とかしなければならない」という感覚が半分ではないかと私は感じています。国民に参考人の方たちの意見を聞いてもらう場をつくったという点では評価できますね。もっとも、インターネット環境にない方は、いまだに蚊帳の外ですが。
Posted by 松田まゆみ at 2011年05月25日 11:09
参議院の議員さんが勉強不足ですがおもったよりまともなので驚きました。
小出先生、後藤さん、石橋先生、孫さんベストメンバーでした。
しかし役人はアホですね。
この人です(笑)
田嶋要経済産業大臣政務官
http://www.meti.go.jp/intro/minister/ps_tajima.html
Posted by 透明 at 2011年05月25日 11:58
透明様

議員のみなさんは、どの程度深刻に受け止めたのでしょうね。それにしても、マスコミはこの行政監査委員会のことをろくに報道しなかったようですね。
Posted by 松田まゆみ at 2011年05月25日 20:20
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