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鬼蜘蛛の網の片隅から › 環境問題 › 日向製錬所フェロニッケルスラグ問題 訴訟の目的は何か?

2014年12月28日

日向製錬所フェロニッケルスラグ問題 訴訟の目的は何か?

 以下は12月26日の私のツイッターでの連続ツイート。

①日向製錬所によるフェロニッケルスラグ埋め立て造成問題で、日向製錬所とサンアイが黒木睦子さん@mutsukurokiを提訴した目的は何なのだろうか? 原告は名誉毀損と業務妨害を理由にブログとツイッターの削除、損害賠償を求めている。

②名誉毀損の場合、賠償金数千万円ということもしばしばある。今回の裁判の場合、賠償金額は2社合わせて2百万以下だから、この手の裁判としては高額とは言えない。ブログとツイッターを削除させ、黒木さんの口封じをすることこそが目的だと思う。

③事実と事実に基づいた意見を書いているとしか思えない黒木さんのブログやツイッターがなぜ都合が悪いのか。不都合な真実が書かれているからだろう。私には沈殿池の水質検査がもっとも不都合な部分ではないかと思えてならない。http://blogjima.blog.fc2.com/blog-entry-81.html

④グリーンサンドに含まれるシリカの毒性ももちろんある。しかし、シリカ粉じんは埋め立て工事をするときにだけ発生する被害だ。それに対しスラグからしみでる水が有害物質を多量に含んでいるのであれば、長期にわたる地域の公害問題に発展するだろう。

⑤有害物質が川に流れだし、やがて地下水も汚染されるだろう。生物濃縮も懸念される。地域住民にとっては深刻な公害問題に発展する可能性がある。有毒であることが知れ渡り住民が騒ぎだしたら、今後のスラグの埋め立て造成工事に支障をきたすことになる。

⑥恐らく製錬所は大量に出るスラグの処理にかなり頭を悩ませている。廃棄物として正規に処理するには相当の費用がかかる。だから、なんとかお金をかけずに処理したいと思うのは当然だろう。そこで粉砕した砂状のスラグに製品名をつけ、廃棄物ではないと主張する。

⑦もちろんこうした埋め立て造成には許認可が必要だ。おそらくスラグ問題の裏には政官民の癒着がある。原子力ムラと同じような産廃ムラがあるのだろう。だから、役人も警察もスラグが「有害」「産廃」だと察していても何も言えないのだ。マスコミももちろんムラの住民。

⑧だから、製錬所としては有害であるという水質データを載せ、産廃だと主張する黒木さんのブログを何としても削除させたいのではないか。そのために日向市の検査結果を基にスラグから有害物質が出ておらず黒木さんの調査は捏造であると主張したいのではないか。

⑨工作員たちの訴状を基にした発言もまさにそれを裏付けているように感じられる。スラグは無害だから黒木さんこそ嘘を言っているのであり、会社は被害者であると。しかし、黒木さんがリスクをおかして嘘の検査結果を公表する理由など考えられない。

⑩「鉱さい」にはふつう有毒物質が含まれている。だからこそ法律では管理型処分場での処理が求められているし、溶出検査で有害物質が基準値以上なら遮蔽型処分場で処理しなければならない。あの大量のスラグの山から有毒物質がしみ出ていないと主張する方が無理がある。

⑪黒木さんは日向市が沈殿池の水質検査をする前にマスコミの人と池に行ったら、水がきれいになっていたという。市の検査のことを知っている誰かが沈殿池の土や水を入れ替えたと考えるのはきわめて自然だ。http://blogjima.blog.fc2.com/blog-entry-35.html

⑫ただし、原告側は黒木さんを訴えるにあたって、何らかの対策を行った可能性がある。例えばスラグからしみでる水が沈殿池に直接入らないような工事をしたとか、造成地の表面から水が浸透しにくいようにしたとか。もちろん推測でしかないが。

⑬もしかしたら原告らは提訴すれば黒木さんが怯えて削除に応じると思ったのかもしれない。あるいは提訴して弁護士同志で和解に持ち込み、賠償金はともかくとしてブログとツイッターの削除だけでもさせたいと思ったのかもしれない。

⑭しかし、黒木さんは提訴されても動じずにブログやツイッターの削除をしなかった。そして、一人で裁判に立ち向かう姿勢を見せている。弁護士を立てて安易に和解に応じるつもりもないのだろう。立派な姿勢だと思う。

⑮黒木さんが安易にブログやツイッターの削除に応じないのは、もちろん嘘を書いていないからだろう。それに対して、なんとか情報操作しようとしている工作員たちは実に滑稽だ。複数のアカをつくって必死に叩く。彼らのツイから、目的が透けて見える。

*****

 この意見に関連して、「市民メディアみやざきCMM」の大谷憲史さんがツイッターで私宛てに多数の意見を寄せてきた。長々とやりとりしたが、結局、大谷さんの言いたかったことは以下の彼のツイートに行きつくと思う。

https://twitter.com/nextmstage/status/548776902190575616
今回のキーポイントは「不退去罪」。どうして日向製錬所から黒木睦子さんが「名誉毀損」「営業妨害」で訴えられたのか、理解ができず、なぜか、問題を「産廃問題」にすり替えて、訳の分からない状況に陥ってしまうのです。何で現地の人間の話を聞かないのかな。#日向製錬所産廃問題

https://twitter.com/nextmstage/status/548837792004853761
@onigumoobasan 産廃問題でも何でもない問題に対して、これは産廃問題だ!として情報を流されることのほうが迷惑です。この裁判が終わるまで、おとなしくしていただけないでしょうか?

 私の理解は、黒木さんご夫妻の抗議行動は、スラグの粉じんが原因としか考えられない咳や、水質検査での有害物質の検出などに起因するのだから、産廃問題・公害問題の延長線上にあり、一体のものであるということ。大谷さんは産廃問題と不退去問題を切り離して考えるべきだと言っているが、私は切り離すことができない問題だと考えている。

 つまりは、大谷さんの見解と私の見解が違うということにすぎない。ところが大谷さんは自分の見解こそ正しく私の見解が間違いだから、裁判が終わるまで黙っていてほしいと要求してきた。もちろん私は言論の自由の侵害を理由にはっきりと断った。

 大谷さんは具体的な話しになっても答えようとせずに話しを逸らしてしまう。ジャーナリストを名乗る人間が、他者の意見を誤りだとか迷惑だと言い募り、黙っていろと要求するとは呆れかえる。

 なお、Owlmanさんが大谷さんに以下の質問をした。

https://twitter.com/nightowlfly00/status/548809620571947008
@onigumoobasan @nextmstage 大谷さんはお詳しいようですけど、こういう形で鉱さいを埋立た場合の長期的安全性を保障する何らかの根拠があったら是非教えて欲しいのですが。ひょっとして自分の考え方に間違いがあっても、と思いますので。

 ところが大谷さんは、この件が「産廃問題でも何でもない問題」であるという自分の見解を理由に、決して答えようとしない。「日向製錬所産廃問題ネットワーク」に公開質問状を出しておきながら、自分への質問は逃げてしまう。大谷さんはそういう方のようだ。

 私には大谷さんが、この問題に関心を持っているネット民に向かって産廃問題から目をそらすように意図的に動いているように思えてならない。そうでなければ他人の意見に口出しなどせず、ジャーナリストとして取材に基づいた報道を淡々としていればいいのだから。ということで、26日の一連のツイートをブログでも取り上げておくことにした。


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Posted by 松田まゆみ at 11:02│Comments(0)環境問題
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