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2014年11月10日

かなりおかしい日本の労働

 少し前のことだが、とある組織の機関紙にドイツの団体職員の女性のエッセイが掲載されていた。

 その方は、小児ぜんそくで幼稚園を休みがちな子どもがいるために週20時間勤務にしているそうだ。それでも正規職員であり、期限なし雇用契約、社会保障が法律で保障されているという。さらに、週20時間のうち半分は自宅勤務が可能とのこと。最近、2年半近くの育児休暇を経て仕事に復帰したそうだ。

 このエッセイを読んで、日本とのあまりの違いに溜め息が出た。

 日本では働く女性が増えているのに家事や育児の負担は圧倒的に女性にのしかかっている。フルタイムで働き、さらに育児と家事をこなすというのはなかなか大変なことだが、正社員で時短という制度はない。最近はマタハラという言葉もあるが、妊娠しただけで嫌がらせを受け、辞職に追い込まれる女性も少なくないようだ。「正社員はフルタイム」というのは、世帯主である夫が一家の生計を支え妻は専業主婦が当たり前という時代ならまだ分かるが、女性がさまざまな分野で活躍するようになった今となっては時代遅れだ。

 もし、上記のドイツのような働き方ができたなら、どれほどの女性が救われることだろう。結婚しても子どもがいても自分の生活に合った働き方ができる。精神的にも時間的にも余裕ができるし、もっと生き生きとした生活ができるに違いない。本当の男女平等とは、男女が同じ労働を同じ時間行うことではない。もともと女性は子どもを産み育てる性なのだから、それを考慮しなければ真の平等にはならない。家事や育児、介護を一方的に女性に押し付けるのではなく、夫婦共に時短労働が選択でき家事や育児、介護も分担するというスタイルが理想的かもしれない。女性の活躍だの何だのと言うのなら、まずは女性が働きやすいような法整備が必要だろう。

 北欧に旅行したとき、日中にベビーカーで子どもを連れ歩いている男性をよく見かけたが、おそらく育児休暇をとっているのだろう。日本ではこんな光景はほとんど見られない。

 ただし、私は専業主婦・主夫というスタイルを否定するつもりはない。というか専業主婦・主夫といった呼称はどうしても好きになれない。賃金がもらえないだけで、家事や育児はそれだけで立派な労働だ。一世帯一人の収入でやりくりできるのなら、夫婦のどちらかが働きに出て、どちらかが家事や育児を担当するというスタイルはある意味自然でもあると思う。政府は専業主婦の「第三号被保険者制度」を見直して、専業主婦にも保険料の支払いを求めるように精度を変えようとしているが、これは多様な働き方を否定するようなものではないか。

 そもそも仕事の内容が正社員と変わらないのなら、雇用形態や労働時間に関わりなく、時間あたりの賃金を正社員並みにすべきだというのは誰でも感じることだろう。パートやアルバイト、派遣労働者の賃金は正社員に比べると驚くほど低い。仮に自給800円で一日8時間、月20日働いても12万8000円にしかならない。年収にしたら153万円。大企業で年収1000万以上の高給取りもいれば、正社員と同じように働いても貧困から抜け出せないワーキングプアもいる。

 社会保障が充実していて医療費や老後の生活の心配がなければ、貯蓄を気にしなくてもいい。これだけでも多くの人の精神的負担が減るに違いない。ところが、日本では年金だけで生活するのは極めて厳しい人が大勢いる。高給取りと低所得者では老後のゆとりや安心感も全く異なってくる。なんと不平等がまかり通っている国か。

 今回の派遣法の改正というのも、改正というより改悪だろう。なぜ派遣をなくし正社員を増やすような方向に法改正しようとしないのだろう。労働の格差をなくし、ワーキングプアをなくそうという姿勢がまったく見られない。労働者を大切にしない国に未来はないと思う。


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この記事へのコメント
私たちは、憲法で保障された労働者の権利というものを忘れてしまったのでしょう。私が若い時に読んだ、磯田 進著 「労働法」岩波新書という本があります。この本を読んで、労働者の権利とは何かをまず確認しましょう。まず確認すべきは、同一労働同一賃金の原則です。
Posted by Shin-ichi Kurokawa at 2015年01月03日 22:15
黒川さん

おっしゃる通り、同一労働同一賃金という基本的なことが、この国ではまったく守られていません。

ワーキングプアは自己責任などという人もいるようですが、そもそもこの原則が守られていないことのほうが大問題です。
Posted by 松田まゆみ松田まゆみ at 2015年01月04日 12:25
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