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鬼蜘蛛おばさんの疑問箱 › 共同出版・自費出版 › 渡辺勝利氏への反論 第3弾

2009年02月05日

渡辺勝利氏への反論 第3弾

出版権と所有権

 渡辺氏は、「自費出版を殺すな3」で、私が本の所有権と出版権を混乱しているとして批判しています。はじめに断っておきますが、私は本の所有権と出版権が違うことは十分に認識しています。

 渡辺氏が指摘している「文芸社・新風舎の盛衰と自費出版(2)「契約」締結の重要チェックポイント」で、私は自費出版と商業出版の契約について取り上げています。ここで私が取り上げている商業出版の契約書とは日本書籍出版協会が作成している「出版契約書(一般用)」を指し、商業出版において一般的に用いられているものです。そして、これは出版権設定契約(著作権法第79条以下に規定)という法律構成をとっています。文芸社や新風舎の契約書はこの契約書の雛形をベースにしたものです。したがってこの記事においても、商業出版においては出版社に出版権を設定すると説明しました。この出版権設定契約では出版社の商品として本をつくることが前提となっていますから、出版権設定によって自動的に出版社に所有権のある本をつくることになります。そこで、「協力・共同型出版における契約では、出版権を出版社に設定することで本は出版社のものになってしまう」という説明をしたのです。

 共同出版問題では「所有権が出版社にあるか著者にあるかがポイント」とよく言われますしそれはその通りです。ところが上記の出版契約書には所有権のことは記されていません。だからこそ、わざわざこのような説明をしているのです。

 ところが渡辺氏はこのことを理解できず、「ここで言いたいのは『契約書に出版権は出版社に帰属すると書かれているので、自費出版ではない』という考え方は間違っているということである」と勝手な解釈をしているのです。私は「契約書に出版権は出版社に帰属すると書かれているので、自費出版ではない」などとは考えていませんし、そのようなことはどこにも書いていません。

 渡辺氏がこのようなことにこだわるのは、ご自身の会社(MBC21・東京経済)の自費出版の契約書で出版権を設定されているからでしょう。渡辺氏の会社の契約書は渡辺氏の著書「考察 日本の自費出版」(東京経済)に紹介されており、私は目を通しています。この契約書は、出版権が出版社に設定されてはいますが、上述した商業出版の契約書の雛形を利用しているものではありません。著者には印税ではなく本の売上金を支払うという制作請負・販売委託契約ですから、商業出版や協力・共同出版の契約には該当しません。

 渡辺氏は、自費出版における出版権について以下のように説明しています。

「自費出版の著作権は著者に帰属するのは当たり前であるが、それを書店流通させる本として仕上げた場合、素人の原稿を商品として編集した編集著作権なるものは、出版社に帰属すると考えるのが正しい。
 つまり、著者が持ち込んだ生原稿を完全原稿にし、タイトルにも工夫を凝らし、本として出版したものがそのまま他社から出版された場合、出版社の編集権が著者との契約部数以外で他社に侵されたことになる。その上、市場での混乱を招く結果となる。
 それゆえ、出版社から書店流通される本の出版権利は出版社に帰属するのが一般的である。」


 書店流通する自費出版において出版権を設定するかどうかは出版社の考え方によって異なります。編集著作権にこだわっているようですが、「編集著作権なるものは、出版社に帰属すると考えるのが正しい」とうのはかなり強引です。アマチュアの著作物でも完成度が高く編集で大きく手を加えなくてもいい作品もあるはずです。そのような作品にまで編集著作権を主張するのは不適切でしょう。ケースバイケースで対応すべきことだと思います。渡辺氏の指摘している事柄は、出版権の設定という形をとらなくても編集著作権の扱いや他社から出版する場合の取り決め等を契約書に記載しておくことで対処できるのです。

 なお、「考察 日本の自費出版」(2004年発行の第1刷)に掲載されている渡辺氏の会社の出版契約書について、私見を述べさせていただきます。ただし、これ以降に契約書が書き換えられている可能性があることをお断りしておきます。

 商業出版は出版社が本を販売することを目的とした出版です。これに対し、自費出版は著者の本を制作するサービスです。その本を出版社が書店などで販売する場合は流通サービスを付加させることになります。自費出版では制作と販売という異なる二つのサービスがあります。

 渡辺氏の会社の契約書(販売するタイプ)は名称が「出版契約書」となっていて制作と販売が一体となっており、第一条で出版権の設定が定められています。商業出版の契約書と似た体裁になっているのです。請負(委託)契約であるなら出版請負(委託)契約書と明記するか、あるいは制作と販売の契約書を別々にしたほうがわかりやすいのです。本の所有権もよりわかりやすくなります。NPO法人日本自費出版ネットワークの作成したガイドラインでも、委託制作契約と委託販売契約の二つの契約内容を明記あるいは別個に作成することを盛り込んでいます。

 ちなみに文芸社の売上還元タイプの契約書は「出版委託契約書」となっており、出版委託と販売委託が分けて記載され、本の所有権についても明記されています。編集著作権は甲(著作者)に譲渡されるとしているほか、契約の有効期間内での独占的出版の許諾と排他的使用が定められています。出版権を設定しなくても渡辺氏の指摘している問題はクリアされています。請負契約においてはこのような契約書の方が適切であり、著者にとってもわかりやすいと私は考えます。

 渡辺氏は、自社の契約書にこだわるがために、私が出版権や所有権について理解していないと勘違いして批判しているようです。

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文芸社の思惑
渡辺勝利氏への反論 第1弾
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この記事へのコメント
渡辺勝利さん

どうしても勝てない敵があらわれた時、どう行動するかでその人の人格が決まる。
敵の手下になって敵に助命、庇護を求めるか、戦いぬくかである。
渡辺勝利氏は精神の折れた方の人間である。
松田さんと同志となり、文芸社を批判したという事実は消せないのである。
情勢の変化で敵を認め、仲間だった人を平気で裏切って非難しているのだから、彼の人間性も知れるというものである。

渡辺勝利さん。
大いに松田さんを非難した記事を書きなさい。
あなたの非難が多ければ多いほど、あなたの人格も低まるのだから。
あなたは右に転んでも左に転んでも勝ち目はないですよ。
文芸社が悪質だと知っているのに松田さんを非難しつづけているのであれば、あなたの人格が低まる一方だし、もし文芸社が本当に悪質でないと思っているのなら、あなたの目は節穴だということになるのだから。

私は前者の前者の方だと思うが、実際、氏は頭も良くない。荒削りな自分本位の見方で、「文芸社商法の研究」を書いたから、裁判で一部、あなたの考えが誤っていると認められてしまったのではないですか。また、文芸社にしても、即座にあなたの文章の誤った点を見つけたから、文芸社に強気の裁判をふっかけられてしまったんじゃないですか。
Posted by α at 2009年02月06日 01:43
α様

尾崎氏はNPOを立ち上げ渡辺氏を自費出版部会長に迎えることによって渡辺氏の考えていたガイドラインを実現させたという構図なのだと思います。渡辺氏は尾崎氏と組むということがどういうことなのかわからなかったのでしょうか・・・。渡辺氏は自分の求めていたガイドラインの実現にこだわり、また自分の視点だけにこだわることで、大事なことが見えなくなってしまったように私には感じられます。
Posted by 松田まゆみ at 2009年02月06日 10:49
渡辺勝利さん

そもそも「文芸社商法」という言葉をつくって、文芸社を激しく非難したのはあなたですよ。そしてあなたが書いた「文芸社商法の研究」であなたは、激しく文芸社を憎しみの感情を込めて批判したじゃありませんか。それが裁判で、裁判官に、「自費出版文化を守りたいという気持ちから筆が荒れて・・・」といわれて名誉毀損の一部が認められてしまったのではないですか。文芸社の水増しもあなたは批判しました。裁判官は、あなたが、自費出版文化を守りたいという純粋な気持ちは認めています。し、実際そうでしょう。また、あなたは裁判の結果に不服すらもっています。

まずあなたのHPのあなたの発言を書いておきます。

「文芸社商法の研究の裁判
ご心配、ご支援をいただきました皆様に厚く御礼申し上げます。昨年(平成15年)12月15日の判決以来、控訴するかどうか弁護士とともに検討してまいりましたが、控訴を取りやめ、2月20日に和解いたしました。
その理由は、

1裁判に費やすエネルギーを考えると前向きではない。

2裁判を続けていると、私の言論活動が多少なりとも制約されることが実際に生じかねない。

以上、二つが主な理由です。決して判決に納得したのではありません。故に、対文芸社の問題は、自費出版の健全な発展のためにという視点から、私の自費出版への信念をかけて、言論活動を通して続けて行きます。
まず、文芸社が全面勝訴としてマスコミに配布したFAXに対して、「何が全面勝訴」なのかの思いを込めて、判決文を全文、インターネットを通じて、私個人のホームページを近日中に立ち上げて公開いたしますが、とりあえず、裁判概要を掲載します」

これは渡辺勝利氏の発言です。渡辺氏のHPをリンクしておきましたからニュースのところをクリックしてみて下さい。

この文章からあなたが、文芸社が悪質だと強い怒りをもっていたことがよく伝わってきます。

なのに掲載していた裁判概要も消してしまい、ブログまでつくっているのに文芸社の批判もせず、出版した裁判概要の本も五千円とばか高い。(あたかも人に買えないようにするためかのよう)あたかも証拠隠滅のようですね。

そして今では文芸社を批判している松田さんを批判しています。
あなたの考え方は180°変わってしまいましたね。
松田さんに対する批判記事を書く前にまず、悪質だと思っていた文芸社を悪質でないと考えが変わった理由を納得いくようしっかり書くべきですね。
私は、あなたは文芸社に篭絡され、精神が折れ、権力欲と自社の経営の安定のために精神が折れた、なさけない人間だと確信してますよ。
Posted by α at 2009年02月09日 03:58
文芸社のホームページをリンクしておきました。
どこにも社長の顔も社員の顔も全く一人もありませんね。
つまり人に顔見せできないことをやっている会社ということでしょね。
天を仰いで恥じなければ顔を出さない理由はないわけですから。
Posted by α at 2009年02月09日 04:39
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