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2010年09月14日
八ッ場ダムで暴かれた過大な基本高水流量
ダム問題に取り組んでいるジャーナリストのまさのあつこさんの以下のブログ記事をお読みください。
暴かれた国交省のウソ
八ッ場ダムの基本高水流量を算出する際の係数が、実態とはかけ離れた低い数値になっており、基本高水流量が過大だったとのこと。まさのさんも書かれていますが、簡単に説明しましょう。
山に降った雨は、樹木や林床の植物、落ち葉、土壌などに貯留されます。そして飽和状態になった土壌の水分や、地表をそのまま流れくだった雨水は河川に流入することになります。流域が森林でおおわれていれば、飽和雨量は大きくなって、河川への流出が少なくなりますが、裸地のようなところでは飽和雨量は少なくなり、河川への流出が大きくなるのです。
八ッ場ダムの流域は森林でおおわれています。ところが、基本高水流量を算出する際に、森林ではなくハゲ山のような過小な飽和雨量を用いていたということが分かったのです。ですから、大雨が降れば一気に河川に雨水が流出するという計算になっており、これによって基本高水流量が過大になっていたのです。
これについては、「八ッ場ダムをストップさせる埼玉の会」のサイトに掲載されている以下の意見書で詳細に検証されています。
治水問題の意見書
治水問題の意見書2
国交省の基本高水が過大であるという指摘は、これまでもしてきました。
開発局の過大な基本高水流量
十勝川水系河川整備計画への意見はどうなるのか
上記の記事に書いたような手法のほかに、このような飽和雨量の誤魔化しもしていたわけです。
暴かれた国交省のウソ
八ッ場ダムの基本高水流量を算出する際の係数が、実態とはかけ離れた低い数値になっており、基本高水流量が過大だったとのこと。まさのさんも書かれていますが、簡単に説明しましょう。
山に降った雨は、樹木や林床の植物、落ち葉、土壌などに貯留されます。そして飽和状態になった土壌の水分や、地表をそのまま流れくだった雨水は河川に流入することになります。流域が森林でおおわれていれば、飽和雨量は大きくなって、河川への流出が少なくなりますが、裸地のようなところでは飽和雨量は少なくなり、河川への流出が大きくなるのです。
八ッ場ダムの流域は森林でおおわれています。ところが、基本高水流量を算出する際に、森林ではなくハゲ山のような過小な飽和雨量を用いていたということが分かったのです。ですから、大雨が降れば一気に河川に雨水が流出するという計算になっており、これによって基本高水流量が過大になっていたのです。
これについては、「八ッ場ダムをストップさせる埼玉の会」のサイトに掲載されている以下の意見書で詳細に検証されています。
治水問題の意見書
治水問題の意見書2
国交省の基本高水が過大であるという指摘は、これまでもしてきました。
開発局の過大な基本高水流量
十勝川水系河川整備計画への意見はどうなるのか
上記の記事に書いたような手法のほかに、このような飽和雨量の誤魔化しもしていたわけです。
十勝川水系河川整備計画[変更](原案)への意見書
ダムで壊される戸蔦別川
集中豪雨による人的被害は防げる
札内川「礫河原」再生事業を受け売りで正当化する報道への疑問
異常気象で危険が増大している首都圏
居辺川の現状(その2)
ダムで壊される戸蔦別川
集中豪雨による人的被害は防げる
札内川「礫河原」再生事業を受け売りで正当化する報道への疑問
異常気象で危険が増大している首都圏
居辺川の現状(その2)
Posted by 松田まゆみ at 14:32│Comments(2)
│河川・ダム
この記事へのコメント
TBありがとうございました。気づかずにごめんなさい。北海道から先日、美蔓ダム計画によってシマフクロウの営巣地が危ないとお知らせいただきました。日本全国、取材にいかねばと思うところだらけで身体と脳みそが足りていません(泣)
Posted by まさのあつこ at 2010年09月30日 00:57
まさのあつこ様
コメントありがとうございます。基本高水の捏造はきわめて重大な問題です。十勝川水系では相変わらず根拠不明の過大なピーク流量のもとに、直線化工事をしています。また河川整備計画には、堤防の強化や河道掘削、河畔林伐採などを盛り込みました。公聴会で高水流量の問題を指摘しても開発局ははぐらかすばかりです。ダムの代替案以前に、高水流量の問題を攻めないとダメでしょう。
まさのさんの事業仕訳でのご尽力で、美蔓貯水池の予算は削減されたのですが、開発局は9月よりナキウサギの生息地の真下に導水管を通すトンネル工事を始めてしまいました。工事用に設置した電柱にはシマフクロウが感電しないための止まり木をつけており、一帯がシマフクロウの生息地であることを認識した上の工事です。開発局は自然保護団体の質問書にも答えないまま工事を強行しています。
美蔓貯水池については「河川・ダム」のカテゴリーで「美蔓貯水池の欺瞞」という連載記事を書いています。
コメントありがとうございます。基本高水の捏造はきわめて重大な問題です。十勝川水系では相変わらず根拠不明の過大なピーク流量のもとに、直線化工事をしています。また河川整備計画には、堤防の強化や河道掘削、河畔林伐採などを盛り込みました。公聴会で高水流量の問題を指摘しても開発局ははぐらかすばかりです。ダムの代替案以前に、高水流量の問題を攻めないとダメでしょう。
まさのさんの事業仕訳でのご尽力で、美蔓貯水池の予算は削減されたのですが、開発局は9月よりナキウサギの生息地の真下に導水管を通すトンネル工事を始めてしまいました。工事用に設置した電柱にはシマフクロウが感電しないための止まり木をつけており、一帯がシマフクロウの生息地であることを認識した上の工事です。開発局は自然保護団体の質問書にも答えないまま工事を強行しています。
美蔓貯水池については「河川・ダム」のカテゴリーで「美蔓貯水池の欺瞞」という連載記事を書いています。
Posted by 松田まゆみ at 2010年09月30日 11:21
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