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2011年11月24日

地震学者らが警告する茨城沖・房総沖の大地震


 3.11の悪夢のような地震・津波災害、そして福島第一原発の大事故は日本中に「原発震災」の恐ろしさを実感させた。あれから8カ月以上が経過したが、複数の地震学者が日本ではいつ大地震が起きてもおかしくないと言い、とりわけ茨城・房総沖での巨大地震に警告を発している。

 以下は地震学者島村英紀氏のホームページに掲載された週刊現代の記事。

「まもなく大地震が来る」

 日本は太平洋プレート、フィリピン海プレート、ユーラシアプレート、北米プレートという4つのプレートの境界にある。プレートは動いているのだから、大地震は必ず定期的に襲ってくる。3月11日の地震は太平洋プレートが北米プレートの下に沈み込んでいるところで起きた海溝型の地震だ。しかし、3月11日の地震では茨城沖から房総沖にかけの地域は動いていない。ここには力が加わり続けていて、いつ動いてもおかしくないと言われている。以下の木村政昭さんのサイトでも、この地域では2012年プラスマイナス3年のうちに地震が起こる可能性が高いと指摘している。

http://web.mac.com/kimura65/Site2/Home.html

 ここでの地震が最近になって現実味を帯びて語られるようになった。「巨大地震を警戒せねばならない時代になった」でも書いたように、北大の森谷武男さんがVHF地震エコーの観測から東北地方南部沖から関東地方沖でマグニチュードの大きい地震が発生する可能性があると警告している。時期としては12月から2012年1月ころではないかと推測している。森谷さんの地震エコーのデータが最近更新されているので参照いただきたい。

http://nanako.sci.hokudai.ac.jp/~moriya/M99.htm

 このグラフから地震エコーの継続時間が徐々に短くなってきているのがわかる。3月11日の東北地方太平洋沖地震のときにも、これが短くなってから地震が発生している。

 また11月10日に「くるぞーくん掲示板」で宇田進一氏が警告を発している。総説の部分を以下に転載しておきたい。

**********

1. 総説:
 地震の発生を予測するということが、これほど切なくつらいものだとは思いませんでした。またも大津波が、それも前回(3.11)に倍するかもしれない大津波が発生するなどと発信するのは非常につらいものがあります。皆さん!生き残ってください。津波に負けないでください。3.11の時よりもはるかに高さと距離を稼いで逃げてください。介護の必要のある方々は海岸地方から予め逃げていてください。足腰の丈夫な人は、足で逃げてください。足腰の弱い人は自転車で逃げてください。自動車でみんなが逃げると渋滞に巻き込まれます。やむを得ず自動車で逃げる場合は、渋滞しないように交通整理が必要となるでしょう。あるいは事前に自動車避難許可証のようなものが必要でしょうか。今回は、アウターライズといって日本海溝より外側(アウター)の海底の隆起している部分(ライズ)で発生します。想定している断層から海岸までは3百数10kmありますので、地震発生から、津波到達まで3,11の時よりは少しだけ時間に余裕があると思われますので、パニックにならないように落ち着いて、行動してください。地震は昼間に発生するとは限りません。夜間に発生する場合は、照明が必要となります。

 津波の高さが2倍以上かもしれないという根拠は、マグニチュードが最悪9.2と考えられること、3.11の時に発生した断層は低角度の逆断層でしたが、今回予測している断層は、高角度の正断層なので、断層の(高さの)落差が、3.11の時のおそらく2倍以上になるだろうということです。

 太平洋戦争で300万人もの命を失ってなおかつ、日本中が焼け野原の状態から日本は立ち直りました。しかし、もしも再び、原子力発電所が大事故を起こせば、日本の復興はかなり困難になります。

 原子力発電所関係者は、巨大地震の発生を待たないで、予め対処してください。どうかお願いします。

 10/29に再び、予測震源域に約8時間、動かない雲が発生しました。最初は今年の4月1日でした(4/3の予測情報参照)。これは予測震源域からのガスの大量噴出を意味します。

 1993年7月12日の北海道南西沖地震(M7.8、奥尻島が大被害を受けた地震)の11日前に、後に余震域となる領域から大量の高温のガスが噴出し上空に雲を形成しました。この雲の型と余震域の平面分布が、まるで指紋を照合するようにぴったりと一致していました。(2002年合同大会講演予稿集参照)。

 今回の予測震源域からの第1回目の4月1日のガスの噴出を知った時は、北海道南西沖地震が11日後に発生しているため、非常に緊張しました。幸いにもこの時は発生しませんでした。しかし、今回が2回目であることを考えれば、非常に緊張を強いられます。

 この断層の北西端はN39.3, E145.7で、三陸はるか沖です。ここから南南西方向(S15°W)に約500km延びています。その終端は房総半島はるか東方沖となります。

 北大の森谷先生のえりも観測点での89.9MHzの地震エコーは、3.11以前とほぼ同等の値が現在観測されており、再度巨大地震の発生を見ると報告されています。これは3月以来提示し続けている、私どもの大気重力波その他の観測による予測と同じで、十分な注意が必要です。グラフ(地震エコーの一日あたりの継続時間(分)の変化)の最新情報は以下をご覧ください。なお再度巨大地震が発生する可能性があるという見解は北海道大学としての見解ではなく、森谷先生の個人的な見解ですので、十分注意して引用してください。
http://nanako.sci.hokudai.ac.jp/~moriya/index.htm

 最悪M9.2と予測されるアウターライズ地震の発生時期について検討してきましたが、直前信号と思われる現象が出現してきています。

1)京都観測点で現在進行している逆ラジオの振り切れるほどのデータが約3ヶ月近く継続していましたが、9月20日から終息気味となっています。
http://www.eonet.ne.jp/~ossoft/noise.html#k4

2)また非常に敏感な観測点である伊勢観測点での直前信号(断定は出来ませんが)と思われる高まりが継続しています。

3)岐阜大学の割石温泉のラドンが9月、10月、11月の上弦の月前後で高まりを示していません。
 また根尾谷断層上の福井県大野市和泉の平成の湯観測点のラドン値が、9月28日から9月30日に3.11大震災前の値より大きな値が観測された後、増減を繰り返していましたが、11/8に急降下しました。注意深くWATCHする必要があります。
http://lll.physics.gifu-u.ac.jp/~radon/mapselect.html

4)そもそもマグニチュードに関しては非常に正確な大気重力波によって最悪 M9.2を想定しているわけですが、3.11の前兆は何時始まったのかを時系列をさかのぼって確かめなければなりません。しかし膨大なデータ量なので、検討に非常に時間を要します。当初M8程度のアウターライズ地震も想定しましたが、もう既に6か月経過しており、M8ならば、既に発生しているはずで、発生を見ないという事はM9クラスの可能性が高くなったと言えるでしょう。
 膨大なデータをすべて照査する事はマンパワー不足で出来ません。間引いたデータでの検討もまだ終了していませんが、現時点では1年以上前から発生していた可能性があります。しかし2010年2月27日にチリ沖でM8.8が発生しており、これより前は両者の前兆の区別が出来ません。

5) 再度海水干退現象が直前に起きるのだろうか?

6) その他様々な、例えば温泉の急激な変化などのような宏観異常現象が発生するのだろうか?

7) 想定している震源域で、直前には中小地震が頻発する可能性があると度々述べていますが、発生が継続している様に見受けられます(Hi-net参照)。

8) 余震域より離れている地域では、予測より少し遅れて発生する傾向が出ています。地域別予測を参照してくだ
さい。
 3.11の大震災の前には約3ヶ月前よりこのような傾向があり、2010年12月以来この現象について述べておりました。

9) 京都観測点の地電流の値が乱高下していますが、急降下時に注意してください。

10)大気重力波の波長が通常10km程度のところ、このところ約2倍程度となってきており、発生が近いことを示しています。もっとも個別の中小地震でもこのような現象は見られます。

11) 11月の上弦(11月03日)前後では発生しませんでした。しかし、上記のように切迫性が認められるので、1年以上先の話ではなく、半年以内には発生するものと思われ、警戒が必要です。特に各月の上弦前後では注意してください。

 12月は2日が上弦です。5)、6)については皆様からの情報をお待ちしています。

**********

 また、以下のサイトでも大気中のラドン濃度の変化などによって茨城・房総沖での大地震を予測している。ここでも森谷さんとほぼ同じ予測をしている。

http://www.tochiginokenkyusha.com/ikase8/ikase8f3.html

 思えば、戦後生まれの私の世代は大地震の少ない時代に生きてきた。私の父は子どものころ関東大震災で被災し、あちこちで火の手のあがる中、上野の不忍池で一晩を明かしたという。信州の諏訪に住んでいた叔母は、昭和19年の東南海地震の大きな揺れの恐怖が忘れられないという。しかし、その頃の東京は今のような高層ビルなどなかった。100年も経たないうちに都市はコンクリートの高層ビルの街へと大きく変わってしまった。東京湾の埋め立て地もどんどん広がり、多くのビルが建ち、多くの人が住んでいる。

 こうした大都市に大地震や大津波がどれほどの被害をもたらすのか、想像もつかない。今さらながら、地震大国にこのような大都市を建設してきたのは間違いであったのではないかと思えてならない。所詮、自然の力には人間は太刀打ちなどできないのだ。

 いつ発生するかわからないだけで、日本は必ず巨大地震に襲われる運命にある。茨城沖・房総沖での大地震、それに以前から言われている東海・東南海・南海地震もそれほど遠くない未来に起きるだろう。直下型地震もあるだろう。一部の研究者などがインターネットで地震エコーやラドン濃度などの観測による地震予測を公表するようになったのも、少しでも被害を少なくしたいという切なる思いからだと思う。彼らの警告に注意深く耳を傾ける必要がありそうだ。

 国土交通省は、地震災害を想定した首都機能バックアップを検討し始めたようだ。国も首都圏が大きな被害を受ける地震の発生を想定しているということだ。恐らく、原発震災も頭に入れているのだろう。

首都機能バックアップ検討へ(NHK)

 「備えあれば憂いなし」というが、3.11のことを思いだして準備を進めておいがほうがよいと思う。とりわけ茨城・房総沖の場合は大津波が懸念されている。自力で避難できない方は事前に安全なところに移動するくらいの用心をしてほしい。とにかく、地震や津波で命を落とす方が一人でも少ないことを願うしかない。

 そして、原発の状況にも気をつけてもらいたい。これからの巨大地震は地震と津波被害だけでは済まない。まさに「原発震災」の時代になったのだ。今や、日本に安心できるところはない。



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Posted by 松田まゆみ at 18:43│Comments(0)地学
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