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2011年01月05日

暖かい冬

 お正月は家で過ごすことが多いのだが、年賀状を出しに完全防備の格好で外に出たら、ピリッとした身が締まるような寒さがまったく感じられない。それどころか、着込みすぎで暑いくらいだ。今年のお正月はなんだか気持ちが悪いくらい暖かい。寒暖計を見ると、日中なのにマイナス2、3度もある。最低気温もマイナス10度ちょっとくらいの日が多い。そういえば、よく冷えた日にみられる霧氷も今年はさっぱり見られない。

 私が北海道に来たのは30年くらい前だが、その頃は最低気温がマイナス15度くらいだと「今日は暖かいね」と言っていた。マイナス25度以下になる日がひと冬に何日もあった。ところが、ここ数年はマイナス20度以下になると「今日は冷えたね」という感じなのだ。マイナス30度近い寒さは、これからは稀になるのだろう。

 それにここ数年は冬でも雨やみぞれが必ずといっていいくらい降るようになった。とても北海道とは思えない。雨が降ったあとは道路がテカテカに凍りつき、それこそ大変なことになる。以前は雪かきといっても軽いパウダースノーが普通だった。みぞれが降れば、ずっしりと水を含んだ重い雪になり、雪かきは大変な重労働になる。そんな大変な雪かきが近年はずいぶん増えた。夏の暑さはそれほどでもないが、冬の温暖化傾向は著しい。

 昨年は東京に5回も行ったのだが、7月と8月の猛暑の時はさすがにバテた。かつて東京に住んでいたころは、ここまで暑くはなかった。「暑い暑い!」とフーフーいっても、せいぜい32度とか33度くらいだったと思う。都市ではヒートアイランド現象や冷房による放熱などによって夏の気温が上昇しているのは確かだろうが、冬がどんどん暖かくなっていくところを見ると、ヒートアイランド現象だけが温暖化の原因などということではない。

 温暖化が進むと寒冷地でも作れる作物が増えるからいいという人がいるが、暖かければ作物がよく育つなどという単純な話にはならない。寒冷な気候であるがゆえに適している作物もあるし、温暖化が思わぬ被害をもたらすこともある。以下は無農薬有機栽培をしている知人のブログ記事だが、猛暑の悪影響が作物に出てしまったようだ。

http://pub.ne.jp/hiroooui/

 そう言えば、私が北海道にきたころは、地球は寒冷化に向かうというようなことが言われていたように思う。氷河期の再来だ。長い目で見ればそうかもしれないが、地球が寒冷化するといっても数千年は先のことだ。それに比べたら今の温暖化の方がはるかに深刻な問題をはらんでいる。

 人類は縄文時代の温暖な気候も乗り切ってきたという人もいるが、現代はその頃とは人口も自然環境もまったく違う。これだけの人口を抱えていたなら、農作物の収量の低下は深刻な事態を引き起こすだろう。

 石油に頼った経済成長のつけが回ってきたのだ。この期に及んで経済成長を唱え続ける人がいるが、人間が地球という有限の生態系の中で生きている以上、資源も有限であり、永遠の経済成長などあり得ない。温暖化対策でひと儲けしようと思っている人もいるようだが、お金儲けが目的なら、早晩、人類は自分で自分の首を絞めることになるだろう。

 あまりの暖かさに、正月早々こんな暗いことばかり考えてしまう。


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タグ :地球温暖化

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Posted by 松田まゆみ at 16:23│Comments(0)環境問題
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